11月9日から展示会。

こんばんは。


いよいよ、今週金曜日から吹きガラス作家・黒川大介さんの個展が開催されます。
かねてからお知らせしていた通り、明日(11/8)は搬入のため店舗はお休みです。


どんな作品がはいいろオオカミ店内に並ぶのか、今からとっても楽しみです。
また、明日搬入終了後にでも会場の様子をこちらにも更新出来ればと思います。


7・8・9・11月と展示会をハイペースで催してきましたが、今回の個展で一区切り。


そんな「はいいろオオカミ」で開催されてきた展示会、ひとつひとつに想いを馳せて・・
今ここに一つ、記しておきます。


「道具と雑貨 はいいろオオカミ」はご存知の通り、普段はロシアや日本の古いものを扱う、所謂、古道具屋です。
では何故、古道具屋である「はいいろオオカミ」が作家の方と協力して展示会を催しているのか?


その答えは、私が理想とする生活にあります。


古いモノを扱うということは、私(はいいろオオカミ)にとっては必ずしも、唯一の方法とは考えていません。
それでも、古いモノやアンティークに心惹かれ、皆様にご紹介しているのは、先人の知恵やある意味豊かだと感じられるかつての習慣や生活がそこに見えるからです。


私は以前、建築設計事務所での仕事に携わっていましたが(実は今も並行して続けています)、建築や住宅という、人が生活をする場において、丁寧さや真摯さを欠いたことにより何かが欠如していると感じる空間に出会うことも少なくありませんでした。
(それはデザイン・意匠が素晴らしければ良いという単純なことではありません)


私の中でそれは、住宅や生活空間を構成するひとつひとつのモノのちょっとした、欠如の積み重ねなのだということに考えは至ったのですが、そのことで思い悩む私が出会ったのが古道具でした。


東京や最近の住宅事情からすれば、理想の住空間を手に入れるというのは至難のことでしょう。
ただ、私はそこで誰もが諦める必要はないと思うのです。
普段、使っている器や食器、テーブルにスツール、自分の心を潤わしてくれるオブジェや植物。
ちょっと、日常のことを丁寧に考えるだけで私たちに出来ることは、たくさんあります。
少し安易な考え方かもしれませんが、時を経て人の手を渡って今に至るモノを生活に取り入れるのは、その土台を支える意味でとても簡単な方法のひとつだと思うのです。


私が常に考えることは、「人は古道具だけでは暮らせない。」
まあ、当然のことですよね。


だけど、
「古道具は私たちの生活を彩る手助けしてくれる。」


やはり、古いモノ。
便利なものでは無いですし、新しいモノでも同じ用途で安価なものなどいくらでもあります。
しかし、そこには何かしらの丁寧さや工夫、先人の知恵や理想が見え隠れしていることは確かです。



そして、話は展示のことに戻りますが・・
「はいいろオオカミ」で今まで開催されてきた展示会に参加してくれた作家の方々は、今、この時代において、自身の持てる力を時代の流れとは関係なく体現している人たちだと私は考えています。


それは古道具と同様、私たちの生活に光をかざすものが、今この瞬間にも世に生まれていることに他なりません。


私自身の理想の生活とは「どんなときも丁寧に暮らしたい。」
それだけです。
(お店を始めて以来、ままならないことも多々ありますが・・)


であればこそ、古いモノだけに拘らず、今もこれからも生まれてくる素晴らしい作品や道具に目を向けていたいと思うのです。


さてさて、少し長くなってしまいましたが、いつの世も答えはひとつではありません。
私が紹介しているものや、これから開催される展示会は私の思う、そして何より好む、私なりの答えです。


それでも、私を含め作品を制作してくれる作家の方も悩みに悩み、丁寧に考え、皆様の生活の中に一雫の潤いをお届けしたいと思っております。
今回も少しでも多くの共感を頂けることを心より願い、明日からの準備及び展示会に臨もうと思います。


□お知らせ


黒川大介 個展
『硝宇宙』


2012.11.09(FRI) - 11.18(SUN)
open 12:00 - 19:00
※会期中休みなし
作家在廊日:10・18


[案内]
黒川さんの創る吹きガラス作品との出会いは、
去年のクラフトフェアでした。
用を越えた不思議な作品に心躍ったことを記憶しています。
そして・・片想いの日々も過ぎ、念願叶い当店での個展開催。
今回は代表作「銀河」をはじめ、他シリーズのラインナップ
やガラスオブジェ作品も登場致します。
硝子が織りなす「小宇宙」。是非、ご覧ください。